地方政府もAIによる自動化/効率化からは逃げられない

地方政府もAIによる自動化/効率化からは逃げられない

https://govinsider.asia/intl-en/article/generative-ai-to-supercharge-automation-in-the-public-sector

うまくまとめてますね。生成系 AI が、今後の政府運営にとても大きなインパクトを与えるでしょう、乗り遅れる政府は沈んでいきまっせ、というあたりがテーマです。

実際の話、as he quoted a study by Goldman Sachs, which predicted that breakthroughs in generative AI could raise global GDP by 7 per cent (equivalent to almost US$7 trillion) over a 10-year period. とあるように、生成系AIの活用にだけ絞っても、今後の10年間で世界のGDPは7%も上がります。

そして、その中の大きな部分は自動化です。特に、書類などの文章の自動化。

よりたくさんの車を作って、よりたくさんの排気ガスを出すことでの7%の上昇ではなく、無駄な書類の処理にかけていたコストを下げて、その分をイノベーションに転嫁することができて新たなサービスが現れて…7%上昇するという流れです。希望的観測ってだけではない。

そして言うまでもなく、莫大な書類の処理が自動化されて、大きく効率化するのは政府運営。中央政府も地方政府も同様です。アナログ書類の整理と処理が業務の中心であることに変わりはない。

例えばいまの日本なら、あまり働いていないのに何故か人員がたくさんいるような官公庁や地方自治体のセクションは、今の30%程度の人間で回せるようになりますよね。実際、人口がすごい速度で減っているんだから、何も惜しいことはありませんよね。むしろ歓迎しましょう。

今のうちに、生成系AIで様々な書類業務や文章作成業務を自動化する手はずが整えば、来る人口減少期にきちんと地方自治体が動くようになるのではないでしょうかね。

楽なポストが減っちまう… などと、頭の悪いことを言ってる場合じゃないでしょ?

特殊な書類を作成することを生業にしている多くのポストは、激減します。完全になくなりはしませんよ、監督責任がついて回るので 。ただ、そこに従事する人口は80%オフで良い。

書類系のホワイトカラーの仕事や、行政書士、社会保険労務士、税理士をはじめとして、多くの資格系、または事務職が、今とは大きく違う働き方を強いられることになります。

でも、繰り返しますけど、日本は人口がバリバリ減りますから、そうでもしないと組織自体の維持が難しくなります。特に地方自治体は、田舎での人口減少率は半端ないので、新しい市庁舎に建て替えているような無駄をする余裕がありません。

とはいえ、生成系 AI の活用に課題がつきまとうのも当然の話。記事にも書かれている通り、何かそれっぽい文章をエビデンスが薄いのに作成して人間を言いくるめてしまうあの才能も大きな問題として指摘されています。これを行政でやられると大変ですからね!

また、生成形 AI に食べさせるデータの中に、市民や国民の機微データが混在する場合、大きな注意が必要です。類似しますが、データの蓄積も、県境や国境を超えない方が良い。法体制が変わりますからね。

この辺りをしっかりと組み上げていくということは 、従来の法律家はあまり考えてこなかった領域です。新しい仕事が増えましたね!つまり、 新しいポストが増えたということでもあります。

あまり誰もやってない今がチャンス!地方政府で頭一つ抜きん出たら、若い優秀な人材が来てくれるかも知れませんよ。

(Photo by Viktor Talashuk on Unsplash