古民家をリノベしたら地方が再生する訳じゃない

古民家をリノベしたら地方が再生する訳じゃない

https://toyokeizai.net/articles/-/712095

この記事にも書かれているように、いわゆる 古民家カフェは、地方ですら結構な飽和状態にあり、そろそろコモディティ化(そして多すぎる場所では多数が廃業…)するんではないかなと思います。

古民家というぐらいですから、あまり 都心部にはありません。地方都市 だったり田舎だったりに多いですよね 。ただ、平べったい地方自治体の空き家対策の一環として使われていると、やることが全てフラットでみんな同じものを作るんですよね 。差別化がしにくい。金太郎あめ状態。

最初は、珍しさも手伝って地域の人も来てくれるし、たまにインバウンド旅行者も来てくれます。でも、それらの 先行者利益は時間の問題ですから、そうばん安易な目論見は潰れます。

結局は、コモディティ化を逃れる方策としては2つの方向ですよね。1つ目は、せっかく 古民家なんですから、豊かな「ローカル 歴史」と練り合わせて、そこでしかできない「WHY」を研ぎ澄ますということ。

もちろん博物館ではないですから、きちんとそれなりの 飲食物を提供する必要はあります。でも、最近の本屋の中にカフェがあったり、先日に大阪梅田を訪れた際に、初見のメルセデスベンツカフェでコーヒーを飲みましたけど、かっこいい車があって何やらおしゃれで中にカフェがあるというあの雰囲気。そこまで練りこんだ、歴史的コンセプトカフェにすること。重層的に積み上げる。

もう一つは、従来の飲食店の勝ちパターンですよね。つまり、店主が面白いか、ものが美味しくて安いか。これは 古民家カフェに限らず、どこのカフェでも言えることだと思いますけど。それが大きな 付加価値になれば、コモディティ化はできませんからね。

先日に大分の別府に行った際にも、いくつか知られている古民家カフェを覗きました。綺麗に建物は維持されていて内装も洒落てるんですけど、食べ物の値段が周辺のカフェの1.5倍ぐらいするんですよね。そこに説得力があるか、という話です。

見渡すと、何か特別な集まりのための団体さんが大きく中央に座っていて、あとは ポツポツという感じの客入りでした。正直に言って、食べ物も大してうまくない。その割になぜか多い従業員。経営が困難になるのは時間の問題かなと思いました。駅前にちゃんと美味しいものを出すタリーズコーヒーが流行っているので。

「地方再生」と絡めたいなら、なおさら、ローカルな「ものがたり」を詳しく調べ上げて、「WHY」を研ぎ澄まして試行錯誤するしかありませんね。勉強になりました。